こんにちは! 株式会社フロンティア技研、チーフの三浦です。
皆さんは普段、「建物」を数えるとき、どんな言葉を使っていますか? 「1つ」「2つ」? それとも「1棟」「2棟」?
さて、ここでクイズです。『棟』という漢字、皆さんはどう読んでいますか?
テレビのニュースでは、火事の報道などで「〇〇棟が全焼しました」と聞くと、「むね」と読むことが多いですよね。
一方で、私たち不動産屋がマンションやアパートの説明をする際には、「A棟」「B棟」と表記して「Aとう」「Bとう」と読んでいます。
…あれ? どっちが正解なんだ? 混乱しますよね。私も新人の頃は「え、どっちだよ!」と内心ツッコミを入れていました(笑)。
実はこれ、どちらも正解なんです! でも、ちょっとした使い分けがあるんですよ。
『棟(むね)』は「建物の屋根」や「建物そのもの」
まず、「むね」という読み方。これは主に、建物の屋根の頂上部分、つまり大工さんが最後に屋根を組む「棟上げ(むねあげ)」など、建築現場で使われることが多いです。
また、ニュースで「数棟が全焼」のように使われる場合は、建物そのもの、特にその建物が持つ「かたまり」としての意味合いが強く、ある種の厳かさや、被害の大きさを伝えるニュアンスがあります。古くからある日本語の感覚に近いかもしれませんね。
考えてみれば、神社やお寺の屋根を数えるときも「一棟(いちむね)」と読んだりしますよね。まさに、建物全体を包み込むような、伝統的で、時に災害報道で被害の規模を伝えるような、そんな時に「むね」という読み方がしっくりくるんです。
『棟(とう)』は「建物を区分する」ため
一方で、私たち不動産屋が使う「とう」という読み方。これは、マンションやアパートのように、同じ敷地に複数の建物が集合している場合に、それぞれを区別するための助数詞として使われます。
例えば、広大な敷地に複数のマンションやアパートが建っている場合、「A棟」「B棟」「C棟」とシンプルに区別しますよね。
この「棟」は、アルファベットや数字と組み合わせて使われることが多く、「〇番目の建物」や「〇号館」のような、より機能的で現代的なニュアンスを持っています。
これは、物件探しをしている皆様にとって、「この部屋は、敷地のどの建物にあるのかな?」という情報を正確に伝えるために不可欠な読み方なんです。もし私たちが「Aむねのお部屋です!」なんて言ったら、「…屋根の部屋ですか?」と混乱させてしまいますからね(笑)。
まとめ:読み方の違いは「用途」と「ニュアンス」!
つまり、
- 『棟(むね)』: 建築現場での部位や、建物全体の塊、あるいは災害などのニュースで使われる、より伝統的で厳かな響き。
- 『棟(とう)』: マンションやアパートなど、複数の建物を区別するための、より実用的で現代的な助数詞。
という使い分けがされているわけです。どちらの読み方も間違いではないのですが、文脈によって最適な読み方が存在するということですね。
いやー、日本語って奥が深い! 漢字一つとっても、こんなに面白い違いがあるなんて、改めて感心します。
不動産は、単に「住む場所」を提供するだけでなく、その背景にある文化や言葉のニュアンス、そして何よりもお客様の安心を考えて提供しています。こんな豆知識が、皆さんの日々の会話のちょっとしたネタになれば嬉しいです!
それではまた明日、毎日更新ブログでお会いしましょう!
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