物件の広告や間取り図を見ていると、「テラス」や「バルコニー」の他に「オープンエアスペース」という耳慣れない言葉を見かけることがあります。なんだかすごく開放的で魅力的に聞こえますよね。
この「オープンエアスペース」は、実は不動産業界で共通の明確な定義があるわけではありません。しかし、その裏側には、物件の魅力を最大限に伝えたいという販売側の意図が隠されています。
今回は、この「オープンエアスペース」が具体的に何を指し、内見時にどこをチェックすべきかという、広告に惑わされない見極め方を解説していきます!

オープンエアスペースとは?
オープンエアスペースとは、「通常よりも広くて開放感があるベランダやバルコニー」を指す用語として、販売会社が独自に使用することがある表現です。
厳密な不動産用語ではないため、その広さや機能に明確な基準はありません。
目的は、購入希望者に対して、通常のバルコニーでは味わえない「屋外での食事やリラックスができる、特別な開放感のある空間」であることを強調し、物件の魅力を高めることにあります。
単なる広さではない!開放感の秘密
「オープンエアスペース」と呼ぶにふさわしい空間には、単に広さだけでなく、以下のような工夫が凝らされています。
- 1. 室内とのシームレスな連続性: リビングとの間に段差がない、または極めて小さい構造になっていることが多いです。さらに、全開口サッシ(大きな窓を完全に開けられる構造)を採用することで、室内と屋外が一体となり、空間を広く感じさせます。
- 2. 奥行きの活用: 通常のバルコニーは奥行きが1m~1.5m程度ですが、オープンエアスペースは2m以上の奥行きを持つことがあり、テーブルやチェアを置いてもゆとりが生まれます。
- 3. 設備面での充実: 水やりや清掃に便利なスロップシンク(水栓)や、屋外照明、電源コンセント(防水仕様)などが設置されており、屋外リビングとしての利用が想定されています。
お部屋探しで必ずチェックしたいポイント
広告の名称に惑わされず、その空間が本当に価値があるかを見極めるには、現地での確認が不可欠です。
- 実測と体感: 広告の「オープンエアスペース」という言葉に頼らず、実際にメジャーなどで奥行きや幅を測ってみましょう。また、家具を置いた場合の動線をイメージし、自分がそこでどのように過ごすかを体感することが重要です。
- プライバシーと眺望: 開放感と引き換えに、周囲からの視線や、隣の住戸からの音が気にならないかを確認しましょう。また、開放感に直結する眺望が将来的に遮られる可能性がないかもチェックしておきましょう。
- 建築面積への算入: 建築基準法上、ベランダやバルコニーであっても、外端からの距離が1mを超える部分は建築面積に算入されます。
オープンエアスペースという表現は、物件のセールスポイントです。その魅力を正しく理解し、ご自身の生活に合うかをじっくり見極めてください。

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