賃貸物件を探すとき、4階以上だと「エレベーターあり」を条件に入れる方がほとんどですよね。重い買い物袋やスーツケースを持って階段を上り下りするのは、想像しただけでゾッとします。

でも、エレベーターがある、というだけで安心していませんか?
エレベーターは何階から必要なの?
結論から言うと、エレベーターの設置義務は「高さ31mを超える建物」にあります。
一般的なマンションの階高から考えると、これはおおむね7階〜10階程度に相当します。ただし、建物の構造や地域の条例によって異なるため、厳密には「高さ」が基準となります。

実は、エレベーターには見落としがちなチェックポイントがたくさんあるんです。今回は、不動産のプロとして、物件選びで差がつくエレベーターの知識を解説していきます!
なぜ「30m」ではなく「31m」なのか?
それにしても、「31m」というのは随分と中途半端な数字だと思いませんか? キリよく30mでも良さそうなものです。
実はこれ、昔の日本で使われていた「尺貫法(しゃっかんほう)」の名残なんです。
かつての日本(大正時代〜戦後すぐ)には、「建物の高さは百尺(ひゃくしゃく)まで」という制限がありました(百尺規制)。 1尺は約30.3cmなので、100尺は約30.3mになります。
その後、単位がメートル法に変わった際に、この「約30.3m」を基準にして少し余裕を持たせ、「31m」というラインが設定されました。
つまり、エレベーターの設置義務は、昔でいう「超高層ビル(百尺以上の建物)」のラインに基づいている、というわけです。歴史を感じますね。
賃貸探しで見るべき「エレベーター」のポイント
ただ「ある」という事実だけでなく、その品質や機能に注目することで、日々の暮らしの快適さが大きく変わります。
- 1. 台数と待ち時間: 朝の通勤時間帯など、利用者が集中する時間帯にエレベーターが1台しかないと、かなりの待ち時間が発生することも。内見の際に、住人の方の出入りを観察してみると良いでしょう。
- 2. 防犯・セキュリティ: 最近のマンションでは、エレベーター内に防犯カメラが設置されているのが一般的です。さらに、キーフォブや暗証番号がないと目的の階に停止しない「セキュアエレベーター」も増えており、セキュリティ意識の高い物件の証です。
- 3. メンテナンス状況: エレベーターは定期的な点検が法律で義務付けられています。古いエレベーターでも、きちんとメンテナンスされていれば安全です。管理状況がしっかりしている物件かどうかの判断材料にもなります。
不動産選びとの関連性は?
エレベーターは、ただの「便利な設備」ではありません。
その品質や機能は、建物の管理体制や住民の安全・快適性を示す重要な指標です。
これらのポイントをチェックすることで、より安心して暮らせる物件を見つけることができます。
次回物件を内見する際は、ぜひエレベーターにも少し注意を払ってみてください。

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